みなさんご存知ですか? ヨセミテは熊の里・・・

" ブラック・ベアー " つまり黒クマと呼ばれているこのクマは、カルフォルニアのシェラネバダ一帯に生息しています。正確には真っ黒なクマだけではなく、灰色、茶色と色々なクマがいますが、それ全体をブラック・ベアーと呼んでいるようです。

さて、カルフォルニアの州旗のシンボルにもなっているこのクマは、あえて静かな性格で自分から人を襲うという事はあまりありません。時には目の前に突然現れ、そんな時はさすがにびっくりしますが、彼らは食べ物を探しているだけなのです。ですからクマに対しての注意をいくつか、体験記をまじえ紹介いたします。

キャンピング

ヨセミテのあらゆるキャンプ場には、一つ一つのサイトに "ベアーボックス" と言う、食べ物を収納する鉄でできた箱が置かれています。ですから、昼夜かかわらず全ての食べ物は、その中に保管しましょう。そしてロックがついているので、きちんとかけるようにして下さい。でないと私達のように、夜中に食べ物を根こそぎ持っていかれますし、恐怖を味わう事になります。

あと忘れてはならないのがゴミです。ゴミもやはり臭いがするので、同じようにベアーボックスにしまいこむか、ごみ箱に捨てましょう。あとは、はみがき粉や化粧品等もだめです。自分で気が付いた、あらゆる臭いのする物は、しまって下さい。

時には、キャンプ・ファイアーを楽しんでいる時、テーブルの上に食べ物や食べ終った皿などを放置しておくと、突然音もなく目の前に出没します。その時にはもう遅し、食べ物は持って行かれるし、驚かされます。ですから食べ終ったら即座にかたずけをし、テーブルの上には何も置かないようにして下さい。

ヨセミテにはクマだけではなく、アライグマもたくさんいます。このアライグマ一匹だと、とてもかわいいのですが、時には集団でキャンプ場にやってきます。夜行性ですので、みんながキャンプ・ファイアーを囲みながら食事などをしていると、やはり突然目の前に現れ、そして知らない間に食べ物が無くなっています。こんな突然の訪問客も食べ物を探していますが、食べ物は与えてはいけません。自然の生態系を崩す事になります。したがってクマ同様食べ物は放置しないようにしましょう。

アライグマはとっても静かな動物で、足音も無くテーブルの上の食べ物が無くなります。時には三、四匹で現れ、知らない間に足元を探ったりもします。そういう時には手をたたいたり、声を出して追い払うのが良いでしょう。とっても臆病な動物ですので、すぐ逃げてしまいますがまたやってきます。でも人間の恐ろしさを動物に教えなくてはいけません。持って生まれた野生の本能が崩れます。

バックパッカー

バック・パッカーは、全て荷物を自分で背負って目的地に行き泊る人達の事を言います。レンジャー・ステーションで Wilderness Permit (入山許可証)をもらい、どこの山に入ってもいいのですが、普通のキャンプ場とは違いベアーボックスがありません。ですから食料の管理には、二通り仕方があります。

一つ目は、パークレンジャーが最もお薦め(現在は強制 2004)である "Food Canister" と言う、プラスチィック製の筒上になった収納缶です。蓋がしっかり締まり、ベアーの力でもつぶされる事はありません。しかしすでに3ポンドの重さがあります。この Food Canister は園内の最寄りの売店やスポーツ店、レンジャー・ステーションにて、一回5ドルで借りられます。右の写真の物は私物ですが、貸している物は違うモデルです。ご了承下さい。

二つ目は食料を袋に入れ、木に吊るす方法です。(現在は認めてないようです。)でもただ木に吊るせば良いと言うものではありません。吊るし方が決められています。Wilderness Permitをもらう時に、色々と注意事項が書いている紙があり、その中に詳細が書いてあります。それと同じようにはなかなかできませんが、なるべく近いものになるよう気を付けましょう。忘れてはならない物はひもです。なるべく軽くて丈夫で長いひも、アウト・ドアー専門店に専用のひもが売っています。

ヨセミテには年間数百万と言う人が訪れます。それに伴い相当な数の車もやって来る事は言うまでもありません。その中で去年一年間で1200台(2002)以上の車が、ブラック・ベアーの被害を受けました。見積り被害総額は60万ドルにも及びます。ではなぜ、そんなに被害があるかと言いますと、パーク・レンジャーの注意の呼びかけにもかかわらず、食べ物を車の中に放置するためです。至る所に被害にあった車の写真が見うけられますが、みなさん人の事のようにしか受け止めません。私も以前はそうでした。しかし、ご覧の赤い車は私の車です。そうです、私も被害者の一人になってしまったのです。全てはあなた次第、改めて注意しましょう。

数年前、私は友達数人とハーフ・ドームに向かいました。まずは、Wilderness Centerで Permitをもらい、そこでさんざんパークレンジャーに熊に対しての注意をうかがいました。そして Wilderness専用のバレー奥地にある、人気の無い駐車場に車をとめハーフ・ドームに向かったのです。一泊二日の旅で、みんなそれぞれ重い荷物を背負い、不安と緊張が抱きながら登りはじめました。

駐車場の回りには、やはりベアー・ボックスが並べてあり、全ての食べ物はそこに保管してから出発しなくてはいけません。しかし私は怠ってしまいました。食べかけの少しのスナックを、車に残して行ったのです。それもトランクの中だったら大丈夫かな、と一人で勝手に思いこみ、他の物と一緒にしまい込んだのです。そして出発・・・ 行きは長い登り、みんな息を切らし汗だくなり、やっとの思いでハーフドームの頂上に立ちました。次の日、みんな眠そうな顔をしながら朝日を迎え、今日は帰らなくてはいけません。

登りほどではないが下りもきつい、昨日の疲れがまだ残っている。途中、休みながらやっとの思いで、バレーにたどり着きました。駐車場は目の前です。みんな登頂に成功した満足感にみちあふれています。そして駐車場に入り我が車を目にした時、愕然となりました。あとは言わずと分かりますが、写真をご覧ください。すべて自分の責任です。

熊除け

熊はいつどこに出没するかわかりません。そんな時に備え、いつでも対処できるよう心がけが必要です。まず日没前に必ず懐中電灯を用意しましょう。できるだけ遠くまで照らせる明るいものがいいですね。そしてキャンプ場では食事をする際、手元に金属音の出るものを置いておきます。例えば、鍋、フライパン、鍋の蓋、キーチェーン、何でもいいです。あとはそれらの物をたたけるものがあるといいでしょう。または鍋そのものに、キーチェーンかコインを入れて振るだけで金属音が鳴るようにします。そして、もし現れた時には思いっきり金属音を鳴らし、追い払いましょう。熊は金属音が大嫌い・・・ 何でもいいので手元に置いていた方がいいですね。

あと、ベアー・ベルと言う大きな鈴がアウト・ドアー用品店で購入できます。それらもなかなかいい音がするので、ハイキングやバック・パッカーには必需品です。私も愛用しています。もう一つ愛用している物が警笛、みんなが言うホイッスル?。これは凄まじい音がするので熊も驚きですが、キャンプ場では夜中に使わない方がいいかな?周りのみんなを起こしてしまいます。このホイッスル、他にも使い道があり私はバック・パックで山に入る時には必ず持って行きます。熊除けにもなり、使いたくはありませんが遭難時には警報を鳴らせます。

しかし・・・ ヨセミテ・バレー内に出没する熊は、なんとも神経が図太く、ちょっとやそこらじゃ逃げない熊も中にはいます。バレー内は人間が多いため、熊も人間慣れしているのでしょう。そう言った熊にはこれしかありません。"ペパー・スプレー" 聞いた事のない方も居るかもしれませんが、唐辛子の液体のスプレーと思って下さい。熊専用の物もありますが、女性が持つ防護用の物でもいいです。さすがの熊もこれにはかないません。私もこれに、隣のキャンパーに助けられた事があります。それから私も携帯するようになりました。